アデルがリメイク版『オリバー!』に向けてオーディションを受けているという。1837年発刊のチャールズ・ディケンズによる小説『オリバー・ツイスト』を新たに映画化する新作で、ナンシー役にと白羽の矢を立てられているアデルだが、音楽界で大成功を収めていることを理由に特別扱いされることはないようで、オーディションにより演技力と歌唱力を試されている。
ディズニーの製作チームに近い人物はザ・サン紙のビザー欄にこう話す。「上層部は今でもアデルの参加を心から望んでいますが、特別待遇をするつもりはないようです。アデルが世界レベルの歌声を持っていることは知りつつ、演技やダンスをしながらその歌唱力を維持できるかを確認したいのです。大作になりますので、スタミナも十分に兼ね備えたキャストが必要なんですよ」
キャスティング手順を着実に踏んでいこうとしている製作陣だが、アデルの出演が決定次第、このミュージカル映画の製作へと本格的に取り組む構えのようだ。前述の人物は「この映画にはこれまで多少の難関がありましたが、アデルを確保できれば前進できるとみんな密かに思っているんです。(本作にも参加している)キャメロン・マッキントッシュのリメイク版『レ・ミゼラブル』のような成功が収められれば、全員大感激でしょう」と続けた。
原作の『オリバー・ツイスト』では、ロンドンの路上でスリを働くアートフル・ドジャーに出会い、フェイギン率いる窃盗団に入る孤児のオリバーの姿を追う。アデルがオファーされているナンシーはそんな犯罪の世界からオリバーを救おうとする心優しい女性だ。
1968年に公開された『オリバー!』では主人公を演じたマーク・レスターのほか、ロン・ムーディーがフェイギン、シャニ・ウォリスがナンシー、ドジャーをジャック・ワイルド役で出演していた。これまでには舞台化もされており、『オリバーのマーチ』『アズ・ロング・アズ・ヒー・ニーズ・ミー』『ウンパッパ』『フード・グロリアス・フード』などの名曲でも知られている。