ホイットニー・ヒューストンが子供時代に従姉妹から性虐待を受けていたと、本人のドキュメンタリー映画『ホイットニー』が伝えている。2012年2月にコカイン、大麻、処方薬の過剰摂取で浴槽の中で48歳の若さでこの世を去ったホイットニーだが、そのアシスタントで死体の第一発見者でもあったメアリー・ジョーンズと弟のゲイリー・ヒューストンが同作にて衝撃の告白をしている。
メアリーによると、ホイットニーは8歳から9歳にかけて従姉妹である歌手ディオンヌ・ワーウィックの妹で同じく歌手だった故ディーディー・ワーウィックから虐待を受けていたそうだ。「私、虐待されていたの。女性よ」とメアリーに告白したホイットニーは、「ディーディーから」と実名を明かしたという。またゲイリーも名前こそ伏せるものの、「親類の女性」から虐待されていたと語っている。
また、メアリーはその出来事を恥と感じ、ホイットニーの母シシー・ヒューストンには ひた隠しにしていたとザ・タイムズ紙は報じ、この虐待によってホイットニーは自分のセクシャリティについて疑問が生じる中、自分をヘテロセクシャルであると証明するためにボビー・ブラウンとの結婚に踏み切ったとメアリーは説明している。
一方、ワーウィック一家に近い筋によると、ディーディーは生涯を通してレズビアンを公言していたそうで、「ホイットニーはディーディーと似たような指向を共有していたこともあって彼女を近しい存在と感じていました。このような繋がりがあったことは興味深いことです」と明かしている。
そして、今回のドキュメンタリーを監督したケヴィン・マクドナルドはデッドラインにこう語った。「ゲイリーが、『家族の中の女性から虐待された』と僕に言ったんだ。そして(ホイットニーの義理の妹)パット・ヒューストンからもそれが事実と聞かされたよ」「その時点で僕は過去に何かがあったことを確信した。でも誰の仕業なのかについてはわからなかったんだ。でも次のインタビューでゲリーがその名前を僕に告げた。撮影も終盤のことで全てが終了する2週間前のことだった。それから僕は、ホイットニーの晩年の10年を含め彼女のアシスタントを長期間に渡り務めていたメアリー・ジョーンズにインタビューをしたんだ。メアリーはその期間のホイットニーについて誰よりも知っているからね。この出来事に対するホイットニーの見解、彼女がメアリーに語った詳細について僕に話してくれた。彼女は(その告白が)ホイットニーを理解する上で非常に重要なことだと思ったものの、公になるのを恐れてもいたんだ。そんな経緯でこの映画は土壇場での編集変更となった。刑事の気分としてはみんなが求めるものを提示できたと思うよ」