『ゲット・アウト』のジョーダン・ピールが、ホラー映画における黒人の映画人やキャラクターをテーマにしたドキュメンタリー『ホラー・ノワール:ア・ヒストリー・オブ・ブラック・ホラー』に出演する。同名の本を原作とした同作では、原作者のロビン・R・ミーンズ・コールマンとファンゴリアの編集長フィル・ノービル・Jr.、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の教育者タナナリヴ・デューらが製作総指揮として携わる。
またピールのほか、『テイルズ・フロム・ザ・フッド』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』の監督やキャストにもインタビューを行っており、人種問題に関する社会的な風潮がどうホラー映画の物語に反映されてきたか探求するという。
デューはピールの出演の重要性について、こう話している。「アカデミー賞を受賞したジョーダン監督作『ゲット・アウト』を鑑賞して、UCLAに『ザ・サンクン・プレイス』という名の黒人ホラーを中心にしたクラスを作りました。おススメの教材は、ロビン・R・ミーンズ・コールマンの『ホラー・ノワール:ブラックス・イン・アメリカン・ホラー・フィルム・フロム・ザ・1890s・トゥ・ザ・プレゼント』でした。なので、この物語を映画にする手助けできることに大変感激しています。『ホラー・ノワール』は黒人のホラー映画の歴史についてであると同時に、その表現が持つパワーや、ホラーが私たちの本当の痛みや恐怖といった人種的なトラウマに力をつけながらも安全な距離感で立ち向かう直感的な方法の証でもあるのです」
さらに、コールマンは同作について、「ホラージャンルは、大胆でいて、屈しない教育です。私たちの社会や政治、人種の世界におけるシラバスのようなものです。善と悪や怪物的なものと神聖なもの、宗教と非宗教といった交絡の中、タブーにまさに寄り添うことを誇りすることほどホラー映画が面白い理由はありません。人類の吟味や弱点における最も恐れ知らずのエンターテイメント表現の1つです。『ホラー・ノワール』が物議を醸し、ホラーの力にさらに特別な意味を持たせることになればと思います」と語った。
『ホラー・ノワール:ア・ヒストリー・オブ・ブラック・ホラー』は、来月7日からホラー映画専門のストリーミングサービスであるシャダーで配信開始予定だ。
そんな中、裕福な人種差別的なコミュニティーのターゲットとされたクリス・ワシントンを描いた2017年作『ゲット・アウト』で高い評価を受けたピールは、『キャンディマン』の新作で脚本を共同執筆することも決定している。
クライヴ・バーカーの小説『禁じられた場所』を原作にしているオリジナル版『キャンディマン』は『ゲット・アウト』同様に、アフリカ系アメリカ人を取り巻くストーリーとなっており、ピールは若い頃に多大な影響を受けていたと明かしていた。
「オリジナルの映画はホラーというジャンルにおける黒人の描き方で大きな指針となった作品です。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』と『キャンディマン』は映画人としての自分に大きな影響を与えました。それにニアのような大胆な新しい監督がメガホンを取るなんて本当に楽しみです。キャンディマンの新たな章を映像化し、クライヴ・バーカーの伝説を新世代に紹介できることを光栄に思います」