サミュエル・L・ジャクソンが、巨匠マーティン・スコセッシ監督によるマーベル映画への批判を一蹴した。『グッドフェローズ』や『タクシードライバー』などで知られるスコセッシ監督は先日、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品は遊園地のジェットコースターのようなもので、意味を持った話を伝える映画ではないと口にしていた。
これを受け、MCUでニック・フューリー役を演じているサミュエルは、スーパーヒーローものにもスコセッシ作品と同じくらいの価値があると返している。
ヴァラエティ誌にサミュエルはこう話す。「それって『バッグス・バニー』が面白くないと言っているようなものだろ。映画は映画だ。みんなそれぞれの意見があるのは良い。だからって他の人が映画を作るのをやめたりはしないさ」
新作『アイリッシュマン』の公開も控えるマフィア作品でおなじみのスコセッシは、MCU作品が特殊効果に重点を置いているだけで、感情面における価値が一切ないとしてこう話していた。「ああいった映画は見ないよ。見ようとはしたよ。でも、あれは映画じゃない。正直言って、与えられた状況下で俳優が全力を尽くしているのも考え、あれに一番近いものとして思いつくのは遊園地だよ。人間が感情や肉体的な経験を他の人に伝えようとするはずの映画ではない」
これに対してサミュエルは、スコセッシの作中に登場するイタリア系アメリカ人の描写に納得しない人も多いとして、「イタリア系アメリカ人で、彼がああいった(マフィア)作品を作るべきじゃないと考えている人だってたくさんいる」としながらも、だからと言ってスコセッシがそうした作品作りをしなくなるわけではない続けている。
一方で、スコセッシの発言を受けて、先日には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などで知られるジェームズ・ガン監督も落胆の意を表していた。ソーシャルメディアへの投稿にガンはこう胸中を綴っていた。「マーティン・スコセッシは現存する僕のお気に入りの映画監督トップ5に入る人物だ。彼の『最後の誘惑』を見てもいない人たちに批判された時には怒りを覚えた。同じように僕の映画が評価されていることに悲しみを覚える」「でもこれからもスコセッシのことは大好きであることに変わらない。彼の映画界における貢献に感謝しているし、『アイリッシュマン』を観るのも楽しみにしている」